宮下奈都氏著「羊と鋼の森」(文藝春秋)※ネタバレあり

こんにちは。森陽(もりあきら)です。

今回は本のご紹介です。

宮下奈都氏著「羊と鋼の森」(文藝春秋)

本作品は

2016年本屋大賞

キノベス!2016年第1位

2015年ブランチブックアワード大賞

に輝いており、史上初の三冠受賞なのだそうです。

一読すればそれに値する作品だとすぐに分かります。

以下、感想にハピリプ独自の視点を加えていきます。

ネタバレもありますので、ご注意ください。

Didgeman / Pixabay

本書はピアノの調律師の青年を主人公にした物語です。主人公が高校生のときたまたま学校のピアノを調律にきた調律師の作り出す「音」にほれ込み、調律師となり、調律師として成長していきます。

まずは「調律師」をテーマにしている作品はなかなかないと思われますので、その点がすごく新鮮でした。

そして、文体が「やさしさ」に溢れており、読んでいて緩やかで暖かな世界へといざなわれます。実に気持ちよく読書空間を漂うことができるのです。

また本書には「音」を聴覚意外の感覚(視覚や触覚など)で表した表現が多数でてきます。

視覚や聴覚など脳に対する入出力チャンネルをモーダルチャンネルといいますが、異なるモーダルチャンネルで認識することを「共感覚」といいます。本書では共感覚的な表現が随所に出てきますので、この点もお楽しみいただけるかと思います。

私はピアノを弾くのですが、自宅にあるピアノは電子ピアノなので、調律師に来てもらう機会はありませんでした(ピアノの先生のところにはグランドピアノがあります。先生はきっと調律師のお世話になっているはずです)。本書を読んで、ハンマーで弦を叩いて音をならすピアノが欲しくなりました。

ちなみに、ハンマーは「」の毛でできており、弦は「」でできており、ピアノは音の「」です。本書のタイトルである「羊と鋼の森」は「ピアノ」そのものを指しているんですね。

AlexanderStein / Pixabay

さて、本書には人生に向き合う上で参考になる点がもう一つあります。

それは「職業をどのように選ぶのか」という点です。

職業を選ぶにあたり給料の額を基準にする人は多いと思います。どうせ働くならたくさんの給料をもらえた方がいいに決まっているからです。

しかし、

給料につられてやりたくもない仕事を選択することは果たして懸命な選択と言えるでしょうか?

私の友人にとある金融系の会社から異業種に転職した人がいます(以下「Aさん」といいます。)。

Aさんは金融系の会社に勤務していたとき、20代前半で年収600万円を得ていたそうです。今の日本ではかなりの高給だと言えると思います。しかし、睡眠時間がないほどの激務であったようです。

Aさんは高給を得ていたものの嫌気がさし、20代後半で異業種に転職しました。転職後は収入が半減したそうですが「全く後悔していない」と言っていました。Aさんにとって金融系の仕事が「やりたいこと」であったかは定かではありませんが、「嫌気がさした」のだからおそらくそうではなかったのでしょう。やりたいことを寝食忘れてやることに「嫌気がさす」わけないですからね。

Aさんのエピソードから言えるのは、

「高い給料」ではやりたくない仕事を我慢できない

ということです。

それに対し、本書の主人公の青年は調律師の作り出す音に魅せられ自らも調律師になります。調律師としての腕に自信があるわけではないものの、調律の世界に魅せられて、こだわりをもって仕事をしていきます。仕事が終わってもクラシック音楽を聞いたりなど、調律に関する事柄を吸収しようと努めます。

このような主人公の姿勢の動機はお金や出世欲では全くありません。ただひたすら調律が大好きなのです。大好きだからこだわって、自分が納得できる仕事をしようとします。もちろん最初から自分が納得できる仕事なのできるはずもありませんが、「自分が納得できる仕事をしようとする」ことそのものに意味があります。

以上のことから職業選びのヒントが立ち上がってきませんか?

scheidegger0 / Pixabay

本書はその他にもたくさんの魅力がある作品です。

ご一読いただければ、あなたなりの本書の魅力をきっと発見できると思います。それはとても楽しい体験ですよ♪

ではでは。

※本の紹介についての記事は「まとめ「本を紹介」編」にありますので、ぜひご覧ください。また、ハピリプのそれ以外の記事は「サイトマップ」にまとめていますので、よかったらこちらもご覧ください。ハピリプがあなたの幸せに少しでも貢献できたら嬉しく思います。

 

 

LINEで送る
Pocket

森 陽 について

森陽(もりあきら)。苫米地式コーチング認定コーチ、作曲家。 正面から真剣に本当に役に立つ情報を発信しています。 ハピリプがあなたの幸せにほんの少しでも貢献できたらとても嬉しい。
カテゴリー: 本を紹介 タグ: , , , , , , , , , , , , , パーマリンク

コメントを残す